仕立て屋座り、とは。懐かしきネットニュース。
翻訳中のメアリー・オースティンのテキストに、tailorwise という単語が出てきた。なになにwiseでなになにのやり方で、という意味があるので、テイラー式に、あるいは仕立て屋風に、と考え、He sat tailorwise in the sand. をとりあえず「仕立て屋座りで」と訳しておいた。先を訳していて「仕立て屋座り」とは何か、気になったので、ふと思いつきGoogleの検索にsat tailorwiseと入れてみた。出てきたのは掲示板式の質問者と複数の回答者のページ。というか英語圏ではインターネット創始のころから盛んなニュースグループというやつである。テキストのみでやりとりし、ジャンルやテーマごとにわかれたトピックに参加し、発言したり、人の意見を読んだりするもの。詩のニュースグループのように作品を投稿して感想を述べ合っているところもあって、今は知らないがかつてはかなり活発なグループもあった。ニュースグループ専用のソフトウェアもあったが、今はGoogleがその役割を果たしているようだ。mixiとはまた違ったコミュニティーと言ったらいいか。そう言えば以前にも一度、どうしてもわからない単語か表現があって、グーグルの検索ボックスに放り込んだら、ニュースグループのページが出てきたことがあったっけ。そのとき出てきた回答は素晴らしく的を得たもので、しかもテキスト原文が同一のものでもあり(それほど特殊な言葉だったのだろう)、なるほどと納得した。かなり信用に足るものだと思えた。物をよく知り、しかも親切な人々がインターネットにはいるものだと感心もした。
さて今回、出てきたページはalt.usage.englishのニュースグループ。altはオルタナティブでニュースグループのカテゴリーの一つ、usageは使用法。質問してからわずか10分くらいの間に最初の回答が掲載されている。そしてその後、続々と別の回答者からも。わかったのはtailorwiseとは、足を交差させて床などに直に座ること、、、つまりあぐらをかいて座ることだった! 最初の回答者は、ヨガのポーズの写真にリンクが貼ってあったが、そのあとの回答者によると、昔のテイラーは仕事場で胡座をかいて仕事をしていたというのである。日本のことではない。アメリカなどの話である。そして古い写真のリンクが貼ってあり、これがなるほど、という面白さだった。
http://images.jupiterimages.com/common/detail/73/94/22619473.jpg
http://www.vam.ac.uk/vastatic/wid/images/tailorofg-sewing.jpg
あるいは床ではなく、テーブルのような台に座っていたようでもある。
http://www.wichitaphotos.org/graphics/wschm_E5-36.1.4.jpg
この写真には驚いた。こんなものが見られるなんて、やはりインターネットならではのこと。